言葉の形骸化

言葉が中身を失って殻だけになってしまう 「重く受けとめる」 「注視していく」 そんな言葉を使っているうちに そこに詰まっていたはずの意味が なくなってしまった 不祥事があったときのコメントはいつも同じ 「皆様には多大なご心配とご迷惑をおかけして 申し訳なく感じております」 「ご批判を真摯に受けとめ コンプライアンスの徹底に努めてまいる所存です」 形骸化がいつのまにか定型化して 読まされるほうは もはや 読もうという気持ちにすらならない 言葉の形骸化 思考の不在 確かに悲しい ただそれは 表面的なことで 本質的には「社会が痩せている」ということに尽きる お隣の韓国では多くの人に詩が読まれ 言葉が豊かになっていっている 中国では言ってはいけないことが多いためか 言葉のなかに多くのニュアンスが込められるようになっている アメリカ化なのかなんなのか 日本では語彙は減り ひとつの単語にひとつの意味しか持たせないような そんな悲しい状況が広がっている ただひたすら 悲しい